コミュニケーション記事

2 「感謝の土下座」

目覚めと同時に窓に目をやった。
窓に太陽を感じない。

ベッドを降りてカーテンをあけた。
ぽつりぽつりではあるが、外は雨。

やはりこんな日はカラッとした天気が似合う、と
勝手に思い込んでいる自分がいる。

「卒業式」

今日は息子の大学の卒業式である。

4年間があっと言う間だった。
4年前の入学式のときは
桜が満開だった。

大学の広い構内、桜の木だけがあるような
そして、地面はストロベリーのアイスクリームが溶けたように
ピンクピンク、

入学式のお祝いに、
そう、まるでピンク色の絨毯が
学校中に敷き詰められているような日だっった。

何度も何度も見た。
学校名が入った正門をはさんで
親子一緒に写った写真!!!

誰がどう見ても緊張してるよね。とわかるほど
緊張して写っている息子の顔。

同じ場所の同じ位置で
写した今日の息子の顔。

誰がどう見ても、喜びに満ちた笑顔満面の顔。

4年間の時間の流れが
4年間の息子の成長がそこに写っている。

前夜、卒業のお祝い夕食会を
息子が借りて住んでいるアパートの近くの
イタリアンレストランでした。

4年間、一度は入ってみたいと思っていたが
高級で値段が高そうで、入れなかったレストランだそうだ。

確かに高かったが、また、おいしかった。

そうして、食事を楽しんでいるとき
突然、そう、突然である。

息子が椅子を離れて
私たち夫婦の前で土下座をして
「お父さん、お母さん、22年間、僕を育ててくれて、ありがとうございました。
 今からは、自分の力でしっかりと生きていきます。
 本当に、本当にありがとうございました」

思いもかけない、想像もしなかった場面展開である。

「大師、こちらここそ、ありがとう。
 大師のおかげで、とても楽しい子育てと
 わくわくした22年間でした。
 これからも、更に楽しませて下さい」

そう言うのが精いっぱいの瞬間でした。

私の両親は、もう死んでしまいました。
「60才になった自分が言えなかった言葉を
 22歳の息子から聞くとは・・・・・。
 こんな素敵な言葉を、素直に言える、表現できる息子を誇りに思え、
 また、大好きになった。ありがとう」



・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

〇づけコミュニケーションを詳しく知りたい方はこちら

コミュニケーション能力が上がるセミナー情報はこちら
〇づけコミュニケーション

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
コミュニケーション記事一覧へ戻る